――歴史的敗北
といわれている。
昨日の参院選挙の結果だ。
与党・自民党は改選議席が64で、獲得議席は37である。
非改選議席と合わせて83――参院の第一党の座からは滑り落ち、同じく与党の公明党と合わせても、過半数には届かない。
今後、厳しい政権運営を迫られよう。
与党の敗因は、何か。
色々と挙げられよう――
閣僚の不祥事や失言――行政の深刻な不手際――
が、それら諸敗因の根元に横たわるのは――
政権首班たる安倍晋三氏の見識不足および器量不足である。
――安倍は宰相の器にあらず。
というのが、有権者の総意になりつつあるのではないか。
が、安倍氏個人だけが悪いのではない。
かかる人物を総裁に頂いた自民党の組織病理を、見落としてならない。
自民党の病いは深刻だ。
例えば――
安倍氏は首相であり続けることを明言したが、与党の執行部は容認の構えである。
一見、奇異だ。
これだけの大敗である。
が、やむを得ない。
他に人がないらしいので、やむを得ないのである。
自民党の病根は、かくまでに深い。
一方――
*
民主党は、参院の第一党の座に躍り出た。
早速、
――安倍首相は退陣せよ。
と要求しているらしい。
が、それは筋違いというものである。
要求するべきは、即刻の衆院選挙だ。
「歴史的敗北」を、自民党内部の「コップの嵐」にしてはならない。
非自民党の有権者にとっては、自民党の総裁など、誰でも良いのである。
即刻の衆院選挙は税金のムダ使いだというのなら、
――与党は下野せよ。
と主張するべきである。
――内閣不信任に同意し、次いで他党の代表を首班に指名せよ。
ということだ。
安倍氏が辞任しただけでは――
「歴史的敗北」は報われない。