鳩山総理が辞任をされ――
新たに菅直人さんが総理の地位に着かれましたね。
一連の政局をみていて感じたことは、
(まだ政権は完全には交代していないんだ)
ということでした。
今回の総理交代劇は、どうみても来月の参院選挙への対策です。
支持率を落とし続けた鳩山総理と、その下で党務を仕切っていた小沢幹事長とが、国政の表舞台から姿を消すことで、政党のイメージの刷新を狙ったとしか思えません。
国家の政権首班を一政党の都合で取りかえるというのは、どう考えても理屈が通らないのですが――
そんなことは、民主党の皆さんも承知されているでしょう。
それでも、総理大臣を取りかえたのは――
来る参院選挙で民主党が現状の議席を失えば、去年の衆院選挙の結果が事実上なかったことになってしまうからです。
参院で過半数を失えば――
いくら衆院で過半数を保っていても、法案は通りません。
法案が通らなければ、国会は空転しますから――
衆院が解散されるか、新たな連立政権が樹立されるか、という話になります。
かりに民主党と自民党との連立政権ということにでもなれば――
去年の秋に芽生えた国政の心機一転の機運は、あっという間に雲散霧消するでしょう。
――去年の衆院選は何だったのか?
という話になると思います。
システムがよくないのです。
6月2日の『道草日記』で触れたように――
ちょっと国政選挙が多すぎると思うのです。
政権交代を完遂させるには、来る参院選挙でも民主党に投票せざるを得ないのです。
かりに、この8ヶ月間の民主党の政策を信任したくなくても――
そんな国政選挙に、どれほどの意義があるのでしょうか。
有権者の立場では、徒労感や脱力感を覚えずにはいられません。