マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

人間の攻撃性について

 人間の攻撃性について――
 もう、ずいぶん前から色々に考えている。

 考えているというよりは――
 もてあましているというのが現状であった。

 人間が、今の地球上において、これまでに、どの生物種もなしえなかったような凄まじい繁栄を、こともなげに謳歌できている理由は、ひとえに――
 人間が、ヒトという生物種の特徴の一つとして、攻撃性という進化論的に効果的な特性を備えていたからであろう。

 攻撃性というのは、要は、

 ――ほかの生物種たちを絶滅に追いやってでも繁栄してやる!

 という強い意志――本能に絡めとられた意志――である。

 進化の過程でヒトの攻撃性が他の類人猿を圧倒したからこそ、今の人間の繁栄があるといっても、過言ではあるまい。

 この攻撃性は、食欲や性欲などと結びついていて、かなり厄介だ。
 そして、おそらくは、雌性よりは雄性と、なじみやすい。

 だから、人間の男である僕にとっては――
 ヒトの攻撃性は避けて通れぬ難題であった。

 僕の文筆の原点でもある。

 これを意識して避けているうちは――
 物書きとして認められることはないであろう――
 そんな気がしている。