妹夫婦には子が二人ある。上は4歳の男の子で、下は0歳の女の子だ。
僕にとっては、それぞれ甥、姪となる。
このうち、4歳の甥については、3年くらい前の『道草日記』で触れた。
たしか、
――ご飯粒大王
と命名したはずである。
ご飯粒を顔にベタベタつけながら食べていたからだ。
で――
今回は姪の話――
姪を、
――Sアキ
と命名した。
その経緯は――
*
実は昨日が姪との初顔合わせだった。
JR岡山駅の新幹線ホームでの出会いである。たまたま岡山の実家に帰省していた妹が姪を連れて、僕を迎えに来てくれた。
姪は、僕をみるなり、気だるそうに俯くと――
そのまま妹の胸に顔を埋めてしまった。
さながら、
――わけわからん男が来よったな~。
という感じである。
母のマンションに戻り、何回か抱きかかえているうちに、かすかに笑い返すようになったので――
調子にのって、しばらく相手をしていたら――
小さな腕を振り回し、僕の顔を叩こうとする。
あるいは――
眼鏡のレンズを握り、レンズを曇らせるだけでは飽きたらず、それを振り回そうとする。
(これは甥にはなかった性質だ)
と思って、遅まきながらも警戒をしていたら――
気疲れのせいか、知らないうちに腰を痛めてしまった。
姪の体重は8キロだそうである。
そんなに軽いわけではない。
日頃の運動不足が祟ったらしい。
いよいよ深刻に痛み出したので、
「腰、痛え~」
と呻いていると――
姪は、
「えへ」
と笑った(ような気がした)
なかなかに無慈悲である。
姪の名は「サキ」という。
一方、妹の名は「アキ」という。
ローマ字で書くと――
姪が「Saki」で、妹が「Aki」である。
「『Saki』って『S+Aki』か」
ということで、
――Sアキ
と命名した。
「えすアキ」と呼んでもいいが――
せっかくなので――
「さでぃすてぃっくアキ」と読むことにする。