参議院選挙が、今度の日曜日に迫っている。
各種機関が伝えるところによれば――
有権者の安倍政権をみつめる目には厳しいものがあるらしく――
自民党の大敗を印象づけるような報道が目立つ。
そうした情勢を受け――
政府・与党は、選挙後の安倍首相の進退問題につき、必死に予防線を張っている。
曰く、
――参議院選挙は政権選択の選挙ではない。
というものだ。
そうした予防線を、
――けしからん!
と断じる人がいる。
が、その人は、この国の仕組みがわかっていない。
参議院選挙が政権選択の選挙でないことは明白だ。
中学校の社会科の教科書を読むだけでも、十分にわかることである。
その意味で、政府・与党の言い分は正しい。
が、彼らの言い分も、完全に正しいわけではない。
たしかに――
参議院選挙は政権選択の選挙ではない。
が、それゆえに――
もし、政府・与党が、今度の選挙で惨敗を喫したならば――
安倍首相は、衆議院の解散・総選挙を行わねばならない。
そうはせず、自分勝手に総辞職をし、後継者を好きに擁立させるなど、不見識の極みである。
有権者をバカにした態度といえよう。
もし、有権者を尊重するならば、
――本当に、私たちではダメですか?
と――
再度、有権者に問わねばならない。
もちろん――
問うまでもない。
が、日本は国民主権の民主国家である。
政権の首班たるものは、かかる重大事においては、愚直に振る舞わねばならない。
それが、公僕の長たる者の務めである。
有権者が、政権選択の選挙ではない参議院選挙で、時の政権に「No !」を突き付けるということは、
――衆議院を解散せよ!
ということである。