マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

自然と不自然とを分かつのは

 ――「自然」に対義語はない。

 ということを――
 きのうの『道草日記』で述べました。

 ――「人工」は「自然」の対義語ではない。

 と――

 ……

 ……

 では、

 ――自然

 とは何でしょうか。

 ……

 ……

 僕は、

 ――自分の意志が及ばぬ事物の全般

 であると考えています。

 あくまでも、「自分の意志」です――「人の意志」ではありません。
 
 つまり――
 僕にとっての「自然」とは、「僕自身の意志が及ばぬ事物の全般」で――
 あなたにとっての「自然」とは、「あなた自身の意志が及ばぬ事物の全般」です。

 例えば――
 木の葉が小川を流れていく――

 流れていくのに任せていれば、自然であり――
 流れていくのを小枝などで遮れば、不自然である――

 そういうことです。

 ……

 ……

 ただし――
 ここで留意すべきことがあります。

 それは――
 自分以外の誰か他者が遮れば、不自然ではなく、自然である――
 ということです。

 その他者は人であり、人は自然の一部ですから――
 その“自然の一部”である人の意志も、また自然なのです。

 ……

 ……

 以上をまとめると――
 「自然」とは、

 ――自分の意志が及ばぬ事物の全般

 であり――
 「不自然」とは、

 ――自分の意志が及ぶ事物

 である――
 といえます。

 自然と不自然とを分かつのは、

 ――自分の意志

 です。

 繰り返しますが――
 「自分の意志」であって、「人の意志」ではありません。

 「人の意志」なら――
 「自然」の対義語は「人工」でよいのです。