――人の感情は、情動と気分とに分けられる。
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
……
……
情動と気分とのうちに――
より注意を要するのは――
どちらでしょうか。
……
……
僕は、
――気分
のほうだと思っています。
なぜか――
……
……
気分は――
情動よりも、わかりづらいからです。
……
……
情動の典型は、
――歓喜
や、
――憤怒
です。
これは、わかりやすい――
自分や他人の歓喜や憤怒を見逃すことは――
ふつう、まず、ありません。
が――
気分の典型は、
――高揚
や、
――憂鬱
です。
これは、わかりづらい――
他人の高揚や憂鬱については――
その“他人”と、ものすごく親しければ――
何となくわかるものですが――
そんなに親しくなければ――
まず見逃します。
自分自身の高揚や憂鬱に至っては――
もっと見逃しやすい――
……
……
わかりづらいから――
情動よりも気分のほうが――
注意を要するのです。