マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

不自然の堤防、自然の堤防

 ――人工は自然に含まれる。

 ということを――
 今年に入って、『道草日記』で繰り返し述べています。

 ……

 ……

 ここで、

 ――人工

 や、

 ――自然

 ――不自然

 あるいは、

 ――恣意

 の4つの概念を――
 河川の堤防を例にとって――
 整理しておきましょう。

 河川は――
 素直に考えれば、

 ――自然

 です。

 その河川の氾濫を予防しようとする意志は、

 ――恣意

 です。

 一方――
 河川の堤防は、

 ――人工

 です。

 この人工物は、

 ――自然

 の一部でもあります。

 が――
 河川の氾濫を予防しようとする意志をもち――
 その意志を、

 ――恣意

 として堤防に及ぼし続けると――すなわち、定期的な点検・修理などを継続していくと――
 堤防は、

 ――不自然

 となります。

 ある人工物が、自然か不自然かを決めるのは――
 その人工物に、何らかの恣意が及んでいるのか、いないのかです。

 つまり――
 点検・修理がきちんと行われている堤防は不自然であり――
 しばらくの間、放っておかれている堤防は自然です。