マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「国が滅ぶ」という表現

 ――国の指導者が気分の共鳴に十分に気をつけないと、国が滅ぶかもしれない。

 ということを――
 きのうの『道草日記』で述べました。

 ……

 ……

 この、

 ――国が滅ぶ。

 という表現――

 僕は――
 できるだけ使わないようにしています。

 なぜか――

 人によって受け止め方が様々だからです。

 ……

 ……

 ――国

 というのは――
 簡単にいってしまうと、

 ――人々が取り決めた仕組み

 のことです。

 いわば“膨大な約束事の集まり”です。

 約束事ですから――
 多分に虚構性を含んでいます。

 よって、

 ――国が滅ぶ。

 というと――
 たんに、

 ――その“膨大な約束事の集まり”がなかったことになる。

 という意味で受け止められることがあります。

 ――国が滅んだって、べつに関係ないし……!

 という受け止め方です。
 
 たしかに――
 国は「約束事」という名の虚構から成るのですが――

 でも――
 その「国」という約束事に従って暮らしている人たちの存在は、虚構ではなく――
 現実です。

 大切なのは――
 この“現実”です。

 よって、

 ――国が滅ぶ。

 というときに――
 僕は――
 次のような意味を込めています。

 ――その「国」という約束事に従って暮らしている人たちの生命や財産の多くが失われる。

 とくに、

 ――生命

 が大切です。

 ――財産

 なら――
 一度、失われても、取り返せるかもしれない――
 が、

 ――生命

 は――
 一度、失われたら、二度と取り戻せません。