――自然と人工とは相いれない。
ということ――
すなわち、
自然 ↔ 人工
という図式を――
多くの人が――
何となく前提にしているかと思います。
……
……
ここ数日の『道草日記』で、僕が前提にしている図式は、
自然 ⊃ 人工
です。
すなわち、
――自然は人工を含む。
ということです。
……
……
昨今、
――コンピュータ技術が十分に発達すれば、自然の事物と人工の事物との区別はつかなくなる。
という考え方が提唱されています。
(たしかに、そうなるだろうな)
と――
僕も思います。
――自然と人工との区別がつかなくなる。
というのは、
自然 ↔ 人工
の図式を前提にしているから、驚異的なことに思えるのです。
自然 ⊃ 人工
の図式を前提にしていれば、さほど驚異的ではありません。
――もともと含まれているんだから、区別がつかなくなることだって、ありうるよね。
となります。
……
……
より大切なのは――
おそらく、
自然 ⊃ 恣意
の図式が成り立たない――
ということです。
このことは――
僕自身の意志が、僕にとって自然の一部に感じられることはなく――
あなた自身の意志が、あなたにとって自然の一部に感じられることはない――
ということです。
もちろん――
実際には――
僕自身の意志は、僕の脳が構成していることであり――
あなた自身の意志は、あなたの脳が構成していることです。
脳はヒトの体の一部であり――
ヒトの体は自然の一部ですから――
例えば――
僕にとって、あなたの意志は自然であり――
あなたにとって、僕の意志は自然であるのです。