――自然
の対義語は、
――恣意
かもしれない――
ということを――
きのうの『道草日記』で述べました。
……
……
そんなふうに思い始めると――
自然に関わる様々な概念が――
何だか味わいを増します。
例えば、
――自然保護
です。
これは、
――人類の恣意を自制すること
ですね。
恣意的に自然保護活動を行う愚かさも――
よくわかります。
また、
――自然科学
は、
――恣意を挟もうとしない科学
ですね。
当然ながら――
恣意を挟もうとしないのであれば――
社会科学や人文科学も、自然科学です。
また、
――自然回帰
は、
――恣意にとらわれないこと
でしょうか。
……
……
僕らは――
ふだん、
自然 = 海、山、川、森など
と決めつけることで――
多くのことを見失っているかもしれません。
自然とは――
ここ数日の『道草日記』で述べている通り、
――自分自身の意志が及ばぬ事物
です。
いいかえるなら、
――自分の恣意と無縁の事物
です。
よって――
自然に関わるとき――例えば、自然を考察したり、自然を観察したり、自然に介入したり、自然を表現したりするときには――
僕らは、ひとまず、
――自分の恣意
を忘れることが必要なはずですが――
……
……
(ちゃんと忘れているだろうか)
と――
思います。