マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

感情労働の難しさ

 感情の制御は、常に後手を踏む――
 という話を――

 きのうの『道草日記』で述べました。

 ……

 ……

 感情の制御で先手を打つことができないという事実が――
 感情労働をより難しくしていることは、間違いありません。

 が――
 ほかにも――
 感情労働を難しくしている事実があります。

 それは――
 感情をもっているのは自分だけではなく――
 自分の周りで働いている人たち――同僚や上司・部下たち――も、感情はもっている――
 という事実です。

 もちろん――
 制御をしなければならないのは――
 第一には自分の感情ですが――

 自分の周りで働いている人たちの感情も――
 間接的には制御をしなければなりません。

 少なくとも、無視をするわけにはいかないのです。

 ……

 ……

 古来――
 軍事学で、絶対に避けなければならないとされる作戦に、

 ――二正面作戦

 があります。

 一度に複数の敵軍を相手にするような戦略のことです。

 感情労働では――
 この二正面作戦が初期設定です。

 いや――
 「二正面」ではないかもしれない――

 「三正面」や「四正面」かもしれません。

 自分の感情――
 同僚の感情――
 上司の感情――
 部下の感情――

 これら四者をすべて区別するならば――
 少なくとも、

 ――四正面作戦

 です。

 さらに――
 顧客の感情――
 なども勘定に入れるならば、

 ――五正面作戦

 ですね。

 ……

 ……

 絶対に避けなければならないとされることが初期設定なのですから――

 それは――
 難しいわけです。