組織を統御する際に、
――まず結論ありき。
では、人々は納得しない。
大切なのは、
――なぜ、その結論に至るのか。
というプロセスだ。
このプロセスを軽視する人に、組織の統御は無理である。
組織を統御する者は、常に以下の3つのステップを経ねばならない。
1)自分のビジョンを示す
2)なぜ、そのビジョンが良いと思うのかを説明する
3)自分のビジョンを皆で共有する
の3つだ。
いわゆる日本型リーダーは、各部署の調整に専念するあまり、自分のビジョンを示すのが苦手だといわれる。
だから、脱日本型を志すリーダーは、とにかく、まずビジョンを示そうとする。
ビジョンを示すのが苦手でないということを、示そうとする。
方法論としては、一理あろう。
が、ビジョンというものは、ただ示せばよいものではない。
上記1)だけでは、絵に描いたモチである。
2)や3)が伴って初めて、ビジョンは活かされるのだ。
脱日本型を志すリーダーにとって、ビジョンを示すことは、初歩の初歩にすぎない。
より重要で困難なことは、2)を経て3)に至るプロセスだ。
脱日本型を志すリーダーは、まずは説明能力を身に付ける必要があろう。
人々が、つい聞き入って賛同したくなるような説明が、求められる。