10日ほど前に、書こう、書こうと思いながらも、結局、書かなかったことがある。
今になっても、どうにも気持ちがおさまらないので――
やはり、書くことにする。
*
本日、自民党の総裁選が行われ――
福田康夫氏が当選を果たした。
明後日、内閣総理大臣に就任することが確実である。
ここで――
僕ら有権者の立場で考えたときに、決して見過ごしてはならないことがある。
それは――
多くの識者が、メディアを介し、指摘しているように、
――国会が空転した。
という事実だ。
10日ほど前に、現職の内閣総理大臣である安倍晋三氏が、あのような形で辞意を表明した結果――
国会議員が召集されているにも関わらず、国会が開催されないという非常識な事態に陥った。
もちろん、与党が内閣総理大臣の臨時代理を立てなかったということが、表面上の理由ではある。
が――
真の理由は、安倍氏が政権を幼稚に放り出したことだ。
当たり前だ。
時流を読み誤り――
心身の管理に失敗し――
国政上の多大なる損失を、国民に与えた。
これは――
国政を総べる者としてだけでなく、国政に与る者として――
最低級の落第点である。
日本人古来の気風を重んじる――少なくとも、重んじているようにみえる――安倍氏のことだ。
恥というものは知っていよう。
明日の夕刻――
安倍氏は入院中の都内の病院で会見を開く予定らしい。
当然――
その場で、
――私は国会議員の職を辞するつもりです。
くらいのことは、いうのであろう。
――私は、総理として失格であっただけでなく、国会議員としても失格でした。
と――
むしろ、それくらいのことをいってもらわねば困る。
これ以上、国家の禄を食(は)むに値せぬ過ちを――
安倍氏は犯したのである。
自身の不明を――
深く――
深く――
恥じてもらいたい。
もし、安倍氏が――
自身の政治家としての矜持を守りたいのなら――
そして――
もし、安倍氏に、それができたなら――
僕は、安倍氏に対する政治家としての敬意を、抱くことにしよう。
裏を返せば――
今のままでは、一政治家として認めることもできない、ということである。
少なくとも僕にとっては――
そうである。