マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

組織論に奥行きを与える原理

 僕は組織論に興味があります。

 組織論というのは、

 ――どのような組織が機能を最大限に発揮しうるのか。

 というものです。

 ここでいう「機能」とは、厳密には「機能の時間積分」です。

 ある組織Aの1時間当たりの機能を1とすると、機能の時間積分は2時間では2、10時間では10となります。

 このような時間積分の値を念頭に――
 組織が機能を最大限に発揮する条件を模索するのが組織論です。

 いいかえれば――
 十分に長い期間にわたって十分に大きな機能を発揮し続ける組織とは、どのようなものなのか、という議論です。

 こうした議論は、一見、単純な算術論に還元されえます。

 組織が安定して機能を発揮するには、単に時間をかければよい――単に人数を集めればよい――
 と思われがちです。

 そうした発想を根底から揺るがす原理として――
 次のようなことが想定されえます。

 例えば、

  1×2<2

 の原理、あるいは、

  1+1>2

 の原理です。

「1×2<2」の原理とは――
 ある組織に属する個人が、単位時間あたり1の機能を発揮しうるときに――
 その個人が単位時間の2倍で発揮しうる機能は、必ずしも2には届かない――1.8とかになる――
 というものです。

 一方――
「1+1>2」の原理とは――
 ある組織に属する個人が、単位時間あたり1の機能を発揮しうるときに――
 その個人が別の個人と協働して発揮しうる機能は、しばしば2を超えることがある――2.2とかになる――
 というものです。

 これら原理が、組織論を奥行きの深いものにします。

 ただ時間をかければよい、ただ人数を集めればよい――
 ということでは済まされないからです。