毎年、冬が終わって、春が近づくと――
睡眠時間が短くなってきます。
たぶん僕だけではないと思います。
盛唐の詩人・孟浩然は、有名な『春暁』の一節で、
――春眠 暁を覚えず
と吟じましたが――
この句が示すことは、おそらくは、当時の冬の寒さが人々の眠りを妨げていたことの裏返しでしょう。
冬でも暖かい現代日本においては――
春になって日差しが長くなるにつれて、しぜんと眠気も薄れていくはずです。
まさに、
――春眠 暁を覚えり
です。
暁を覚えたら、すぐに行動に移すのがよいようです。
できることなら、なんでもやってしまう――
冬の朝だったら、眠くて面倒なことも――
夏の朝だったら、疲れて億劫なことも――
とにかく、やってみる――
そうやって――
朝早くからお昼すぎまで、突っ走ってみて――
ふと昼下がりに、立ち止まって振り返ってみる――
そこから夕方・宵にかけては、ゆるやかに――
夜は心静かに床(とこ)に就く――
それが――
春の日の理想の過ごし方のように思えます。