マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

オバマ大統領は就任したけれど

 アメリカのオバマ大統領が就任したことで日本のメディアは持ち切りですが――
 僕は、大した関心は持てていません。

 アメリカの大統領選挙の結果は気になりましたが――
 オバマ大統領の就任が確実になった時点で、
(はい、おしまい)
 といった感想です。

 僕の関心事は、

 ――アメリカの有権者によって、アメリカの次期大統領に、前任のブッシュ大統領よりはバランス感覚のある人が起用されるかどうか。

 でした。
 結果は、

 ――起用された。

 であったと思います。

 オバマ大統領は、少なくとも、これまでの印象では、かなりバランス感覚に秀でた人のようです。
 おそらく、人間とはどういうものかを、よくわかっている人でしょう。

 人間には必ず二面性があります。
 どうしようもない独裁者が時に善政を敷くことがあるし、たぐいまれな教養人が時に下らない不正を働くこともあるのです。
 そういう存在が人間であるということを、オバマ大統領は、よくわかっているように思います。
 そうでなければ、例えば、選挙戦中に自分のことを

 ――恥を知れ!

 と罵った年上の女性を――しかも、元大統領夫人を――重要な閣僚に起用することはなかったでしょう。

 そんなオバマ大統領が誕生したことで、国際社会は以前の平穏を取り戻したかのように思います。
 麻のごとく乱れた国際秩序が、ようやく元通りになるイメージです。

 よって、僕のいう、
(はい、おしまい)
 というのは、

 ――いくらかマシな未来がやってくる。

 という期待を表しています。

 ただね――
 実際にどうかはわかりませんよ。

 オバマ大統領も人間です。

 人間には二面性があるのです。

 今はオバマ大統領の良い面しかあらわになっておりませんが――
 そのうちに悪い面もあらわになってくることでしょう。

 そのときに、アメリカが世界中に迷惑をかけないとも限らない――

 ――なんだ、こんなことならブッシュのときと同じじゃないか。

 ということにもなりかねない――
 そうなったときに、今の日本の政権で十分に対応できるのか――
 それが、今の僕の関心事になっています。

 アメリカのことは、もういい――今より酷くはならない、たぶん――
 が、日本はわからない――今より酷くなる可能性はある――

 つまり――
 そういうことです。