――本に書かれていることを鵜呑みにするな。
とは――
よくいわれることです。
――本の内容の全てを真に受けているとバカになる。
とも――
……
……
小説などは別にして――
多くの場合――
本の要旨は――
数行ないし数ページ程度の文章でまとめられます。
本の要旨を把握し――
その主張の可否を、自身の知性や感性に基づき、主体的に評価することが――
本を読む第一の目的です。
もちろん――
第二や第三の目的もあって――
それらの中には、
――本の構成や展開を楽しむ。
とか、
――本の語彙や表現を味わう。
があるのですが――
それらは、いずれも――
副次的です。
本の構成や展開、語彙や表現は全て――
本の要旨を効果的に伝えるための工夫に過ぎないからです。
そのことを忘れ――
第一の目的を達成せず――
第二、第三の目的に拘泥すれば――
たしかに――
人は
――バカになる。
といえましょう。
……
……
もちろん――
本を全く読まなくても――
同じ危険はあるのですが――