マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

今も耳元に残っている

 昨日は訃報が相次いだ。

 松岡農相だけでなく――
 ロックユニット「ZARD」のボーカル坂井泉水さんも亡くなった。

 僕が知ったのは――
 松岡農相より坂井さんの訃報が先である。

 思わず、
「え?」
 と、口走ってしまった。

 子宮頸がんで治療中の転落死であったという。
 報道によると、現場の状況からは、事故か自殺かの判断が難しいケースのようだ。

 肺への転移がみつかっていたものの――
 転移巣への治療効果に手応えを感じ始めた矢先だったという。

 今後の音楽活動にも、意欲をみせていたらしい。

 40歳――
 歌手としては、まだまだ円熟味を増していける時期である。

 たしかに――
 予後は決して楽観できるものではなかったが――

 惜しい。

     *

 透明な歌声が印象的だった。

 透明というのは、よい意味ばかりではない。
 言い換えれば、

 ――個性が弱い。

 ということである。

 が、デビュー後16年で老若男女、実に幅広いファン層を、獲得したそうである。

 ――個性なきを以て個性とする。

 の典型であったかもしれない。

 白状すれば――
 僕は坂井さんの透明さが好きではなかった。

 ZARDのCDは1枚も買っていない。

 が、亡くなって、わかった。
 透明は心地よい。

 坂井さんの歌声は、今も耳元に残っている。