女の子が寝転ぶと、なぜ、あんなに色っぽくなるのか――
不思議である。
もっとも――
そう感じているのは、僕だけかもしれないが――
*
中学校3年のとき――
同級生の女の子が、突然、机の上に仰向けに横たわった。
放課後の――
教室でのことである。
別に、その女の子と二人きりであったわけではなく――
他に数名の同級生が一緒だったのだが――
男は、僕一人だった。
もし、その女の子たちと、とくに絡んでいなければ――
無難に、やり過ごしていたと思う。
あるいは――
もっとズル賢ければ――
誰にも気づかれないように、そっと寝姿を盗み見ていたことだろう。
が、あいにく――
僕らは文化祭か何かの打ち合わせの最中であった。
打ち合わせがダラダラと続いていて――
場の雰囲気がダレていたのである。
そして――
――あ~、疲れた。
と、その女の子は机の上に寝そべった。
(あ、色っぽい!)
と思った瞬間――
僕が口にした言葉は、
「みっともないよ」
の一言――
「男子にいわれたらおしまい!」
と、その女の子は苦笑した。
たしかに――
われながら――
実に無粋な一言であった。
*
ちなみに――
今の僕が、その現場に居合わせていたら――
たぶん、こういうだろう。
――誘ってるの?
*
冗談である。