久々に車が戻ってきた。
ディーラーへ車検に出していたのである。
当初は先週の火曜日に戻ってくるはずであったが――
火曜日の夕方に電話をすると、
「今日中にお返しするのは、ちょっと苦しい状態です」
といわれた。
僕の今週のスケジュールでは――
火曜日を外したら今日まで取りにくることができなかった。
結局、1週間以上も車のない生活を送っていた。
僕は代車をとらないタチである。
*
車のない生活は、そんなにイヤなものではない。
遠出にはバスなどを利用せねばならぬので――
移動に時間がかかるのだが――
慣れてしまえば、どうってことはない。
むしろ、バスに乗っている間に、いろいろと考え事ができる。
考え事は創造の源である。
ただし――
*
日頃、慣れない距離を歩いたり、慣れないバス・ターミナルなどに出向いたりしたせいで――
体調を崩してしまった。
ほんのちょっとだけ、体に負担をかけただけなのに――
疲労がたまり、気持ちが悪くなる。
適応力がなくなっているに違いない。
――これが老いの始まりだ。
などといえば――
僕より年上の人たちは笑われようが――
たぶん――
老いは、こういうところから始まっていく。
10代、20代の頃に思いを馳せながら――
もう、あの頃の体には二度と還れぬのだということを――
実感せざるをえなかった。