――こうすれば、うまくいきますよ。
といったアドバイス形式の提言が――
ときどき、
(実は、まったく意味ないんじゃないか)
と思えることがあります。
どんなに懇切丁寧に方法論を提示したところで――
その方法論は、あくまで「論」であって――
提示された側にとっては――
その方法論に基づき、行動を起こし、失敗を重ね、その結果、
――たしかに、こうすれば、うまくいくのだ。
と体得しない限りは――
どんな優れた提言も絵に描いた餅だろうと思うのです。
何かの提言を洗練させたり、あえて衝撃的なものにしたりすることは――
その「絵に描いた餅」の絵を綺麗に描いたり、派手に仕上げたりすることと同じであって――
空腹の人に餅を提供することとは無関係である、と――
さらにいえば――
空腹の人に餅を提供する意味を考えれば――
何かの提言を洗練させたり、あえて衝撃的になものしたりすることは、本質的に無意味ではないか、と――
その絵は――
空腹の人が餅をみたときに「これが餅か!」と認識できる程度に巧く描けていれば、十分なのです。