言葉は不思議なもので――
ずっと言葉を扱っていると、
(うへ~! もうヤダ!)
と嫌気がさしてくるのですが――
しばらく言葉を扱っていないでいると、
(なんか物足りないな~)
と寂しくなってくるのですね。
長らく扱っていないと寂しくなるくらいですから――
きっと言葉に対し、人の心は依存性があるでしょう。
が――
アルコールや麻薬と違って歯止めが利かなくなるようなタイプの依存性ではないように思います。
アルコールや麻薬を飲みすぎて心身を滅ぼす人はいますが――
言葉を扱いすぎて心身を滅ぼす人というのは、おそらくは、いないでしょう。
言葉は――
人の心が生み出すものだからです。
より厳密には、生物種としてのヒトの脳が創り出すものだからです。
脳は体の一部ですから、
――言葉は体が絞り出すもの
といってもよいかもしれません。
アルコールや麻薬は、当然ながら「体が絞り出すもの」ではありません。
体が取り込むものです。
そういうものに対しては、心身を滅ぼしかねない依存性が、人の心にはあるのでしょう。
ということは――
体が絞り出したとはいいがたいもの――例えば、映像とか画像とか――それも、かなり高度な解像度のものに対しては――
人の心は、もしかしたら心身を滅ぼしかねない依存性があるのかもしれません。