マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

身体生存の起源(25)

 10 ~ 100 個の“遺伝分子”が偶然に結合を連ねて“遺伝物質”となり――

 それが、

 ――身体生存の起源

 つまり、

 ――生命の起源

 となった――

 

 との考えを、

 ――生命の偶然発生説

 と呼ぼう。

 

 この説に依れば――

 生命が発生をする確率は――

 ざっと、

  10 ^ ( −52 )

 である。

 

 一方――

 恒星の数は、

 ――観測可能な宇宙

 に限れば、

  10 ^ 22

 である――

 と見積もられている。

 

 よって――

 太陽のように生命を育む恒星の数の期待値は、

  10^ ( −30)

 と求まって、

 ――観測可能な宇宙

 には、太陽のように生命を育む恒星は、太陽以外に存在をしない――

 との結論になる。

 

 が――

 

 ……

 

 ……

 

 ――“観測可能な宇宙”の外側

 を含めれば――

 

 生命を育む恒星は――

 夥しい数に上るかもしれぬ。

 

 宇宙の広さは――

 ――宇宙のインフレーション(cosmic inflation)

 が持続をした時間の長さによっては――

 ――観測可能な宇宙

 の、

  10 ^ 30 ~ 10 ^ 300 倍

 の可能性がある。

 

 よって――

 太陽のように生命を育む恒星の数の期待値は――

 宇宙の広さが、

 ――観測可能な宇宙

 の、

  10 ^ 30 倍

 であれば、

 

  10 ^ ( −52 ) × (10 ^ 22 × 10 ^ 30 )

  = 1

 

 であるが――

 

  10 ^ 100 倍

 であれば、

 

  10 ^ ( −52 ) × (10 ^ 22 × 10 ^ 100 )

  = 10 ^ 70

 

 であり、

 

  10 ^ 300 倍

 であれば、

 


  10 ^ ( −52 ) × (10 ^ 22 × 10 ^ 300 )

  = 10 ^ 270

 

 である。

 

 よって――

 太陽のように生命を育む恒星は、

 ――観測可能な宇宙

 では、極めて珍しい存在だが――

 

 宇宙の全体では、ありふれた存在――

 といえる。

 

 ……

 

 ……

 

 これまでに――

 人類は、地球外生命に出会ったことがない。

 

 かといって――

 地球生命が、唯一無二の絶対的な存在なのかといえば――

 

 それは違う。

 

 少なくとも――

 自然科学の見地に立てば――

 その観方は、あまりに恣意的だ。

 

 この矛盾を、

 ――生命の偶然発生説

 が、軽やかに消す。

 

 この説は――

 人類が地球外生命に出会っていないことと――

 地球生命が唯一無二の存在でないこととは――

 両立をしうる――

 ということを示している。

 

 『随に――』