――遺伝分子
が、偶然に結合を重ねて、
――遺伝物質
に変化をするには――
その分子が、10 ~ 100 個くらい結合を連ねる必要がある――
と考えられている。
仮に、
――遺伝分子
が、
――30 個
結合を連ねるとすると――
その確率は――
ざっと、
10 ^ ( −33 ) × 10 ^ ( −19 )
= 10 ^ ( −52 )
と見積もられる。
これは――
30 個の“遺伝分子”が、偶然にも結合を連ねる確率は――
ポアソン分布(Poisson distribution)の発想に依れば――
およそ、
1 / 30!≒ 10 ^ ( −33 )
であり――
その“遺伝分子”の順列が、自己複製の機能を発しうる確率は――
およそ、
10 ^ ( −19 )
である――
と見積もられるからだ。
一方――
これまで――
宇宙に存在をする恒星の数は、
10 ^ 22
である――
と見積もられてきた。
よって――
太陽のように生命を育む恒星の数の期待値は、
10 ^ ( −52 ) × 10 ^ 22
= 10 ^ ( −30 )
であり、
1
を大きく下回る。
これは――
深刻な矛盾と考えられてきた。
が――
宇宙に存在をする恒星の数は、
10 ^ 22
を遥かに上回っている可能性がある。
存在をする恒星の数が、
10 ^ 22
なのは、
――観測可能な宇宙
に限っての話だ。
宇宙は、
――“観測可能な宇宙”の外側
にも広がっていて――
その広さは――
――宇宙のインフレーション(cosmic inflation)
が持続をした時間の長さによっては――
――観測可能な宇宙
の、
10 ^ 30 ~ 10 ^ 300 倍
かもしれぬ。
仮に――
対数軸で 30 と 300 との中間となる 100 を例に採って――
宇宙の広さが、
――観測可能な宇宙
の、
10 ^ 100 倍
であるとすると――
宇宙に存在をする太陽のような恒星の数の期待値は、
10 ^ ( −52 ) × (10 ^ 22 × 10 ^ 100 )
= 10 ^ 70
となる。
10 ^ 30 倍
であるとしても、
10 ^ ( −52 ) × (10 ^ 22 × 10 ^ 30 )
= 1
となって、
1
を下回ることはない。
……
……
このように考えると――
10 ~ 100 個の“遺伝分子”が偶然に結合を連ねて“遺伝物質”となり――
それが、
――身体生存の起源
つまり、
――生命の起源
となった可能性は、否定をされえぬ――
との結論を得る。
『随に――』