マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

身体生存の起源(24)

 ――遺伝分子

 が、偶然に結合を重ねて、

 ――遺伝物質

 に変化をするには――

 その分子が、10 ~ 100 個くらい結合を連ねる必要がある――

 と考えられている。

 

 仮に、

 ――遺伝分子

 が、

 ――30 個

 結合を連ねるとすると――

 その確率は――

 ざっと、


  10 ^ ( −33 ) × 10 ^ ( −19 )

  = 10 ^ ( −52 )

 

 と見積もられる。

 

 これは――

 30 個の“遺伝分子”が、偶然にも結合を連ねる確率は――

 ポアソン分布(Poisson distribution)の発想に依れば――

 およそ、

  1 / 30!≒ 10 ^ ( −33 )

 であり――

 その“遺伝分子”の順列が、自己複製の機能を発しうる確率は――

 およそ、

  10 ^ ( −19 )

 である――

 と見積もられるからだ。

 

 一方――

 

 これまで――

 宇宙に存在をする恒星の数は、

  10 ^ 22

 である――

 と見積もられてきた。

 

 よって――

 太陽のように生命を育む恒星の数の期待値は、

 

  10 ^ ( −52 ) × 10 ^ 22

  = 10 ^ ( −30 )

 

 であり、

  1

 を大きく下回る。

 

 これは――

 深刻な矛盾と考えられてきた。

 

 が――

 

 宇宙に存在をする恒星の数は、

  10 ^ 22

 を遥かに上回っている可能性がある。

 

 存在をする恒星の数が、

  10 ^ 22

 なのは、

 ――観測可能な宇宙

 に限っての話だ。

 

 宇宙は、

 ――“観測可能な宇宙”の外側

 にも広がっていて――

 その広さは――

 ――宇宙のインフレーション(cosmic inflation)

 が持続をした時間の長さによっては――

 ――観測可能な宇宙

 の、

  10 ^ 30 ~ 10 ^ 300 倍

 かもしれぬ。

 

 仮に――

 対数軸で 30 と 300 との中間となる 100 を例に採って――

 宇宙の広さが、

 ――観測可能な宇宙

 の、

  10 ^ 100 倍

 であるとすると――

 

 宇宙に存在をする太陽のような恒星の数の期待値は、

 

  10 ^ ( −52 ) × (10 ^ 22 × 10 ^ 100 )

  = 10 ^ 70

 

 となる。

 

  10 ^ 30 倍

 であるとしても、

 

  10 ^ ( −52 ) × (10 ^ 22 × 10 ^ 30 )

  = 1

 

 となって、

  1

 を下回ることはない。

 

 ……

 

 ……

 

 このように考えると――

 10 ~ 100 個の“遺伝分子”が偶然に結合を連ねて“遺伝物質”となり――

 それが、

 ――身体生存の起源

 つまり、

 ――生命の起源

 となった可能性は、否定をされえぬ――

 との結論を得る。

 

 『随に――』