組織を上手に変える人ほど、組織の中では生きていけない気がします。
既存の組織になじめないから、組織を変えたがるのではないでしょうか。
逆に、組織の中で巧く生きていける人ほど、組織を変えられない気がします。
既存の組織になじめるから、わざわざ変える意味がないのでしょうね。
どちらが良いとか、悪いとか、そういう議論をするつもりはありません。
どちらも一長一短です。
両者は常に協力し合って組織を維持しなくてはいけません。
反目し合っていては、何も生まれないのですね。
一般に、組織を上手に変える人は、たいていは少数派のようです。
多くは誤解を受け、皆から疎まれている傾向にあるようです。
当然でしょう。
組織を変えるとは、波風を立てることです。
自分から波風を立てる人ですから、煙たがられないわけがない。
煙たがられるのはしょうがないにしても、そういう人の価値が認められず、次々と放逐され続けていくのは問題です。
それでは、いつまでたっても組織は変わらない。
世の中は常に変化しています。
変化に対応できない組織は、いつか潰れてなくなる。
が、すぐになくなるのではない。
なくなるまでには相応の時間がかかる。
その間、社会に広く害悪を巻き散らす――そこが問題なのです。
昨今、企業単位の不祥事が続いていますね。
該当企業の経営陣は、皆、一様に、
――こんなはずではなかった。
と感じているようにみえます。
――私らは、本当は何も悪いことはしていない。
という感じです。
一面の真理は突いていると思います。
何が良くて何が悪いかは、簡単には決められない。
マスコミはもちろん、司法が常に正しい判断を下すとは限りません。
問題の根源は、組織を上手に変える人が放逐されていったところにあるのではないでしょうか。
不祥事には気が付いていた。
体質を改めなければならないことにも気が付いていた。
が、組織を変えようにも変えられなかった――そんな気がします。