高校生に英語を教えていて、いつも思うのだが――
英語らしい美しい発音というのは、日本人の高校生にとっては、どうでもよいと思う。
もちろん、アメリカ人などと英語で話をするときには、そうもいってはいられない。
多少は英語らしい発音でないと、全然、通じないからだ。
が――
日本の高校生が触れる英語というのは、大部分が書き言葉である。
話し言葉ではない。
だから――
日本の高校生にとって重要なのは、英語の綴りをみて、そこから英語らしい発音を捻り出すセンスである。
英語をよんでいて、知らない単語が出てきて――その発音が、皆目、見当もつかない――というのが困るのだ。
そこで思考が止まってしまうから――
少しでも英語らしければいい。
日本語訛りコテコテだっていい。
そういう英語を前面に押し出しても何ら恥じ入らぬ胆力が――
日本の高校生には欠けている。
いや――
日本人全体に欠けているのか。
別に、日本語訛りだって、いいじゃないか! ちゃんと通じるよ!
ちょっと恥ずかしいけれど――