死んだ父は、よく、
「こいつの英語はイギリス英語だから聞き取りやすい。アメリカ英語はダメだ」
などとコボしておりました。
TVのニュース番組でイギリスの政治家が出てくると、
「やっぱり聞き取りやすい」
などと、うなずき――
アメリカの政治家が出てくると、
「ダメだ」
などと、文句をいっておりました。
こう書くと、なんだか酔っ払いオヤジの不毛な繰り言みたいですが――(笑
一応、父は自然科学者で、留学経験もあり、英語を仕事に使っている身でしたので――
たぶん、それが実感だったのだろうと思います。
で――
僕は、そんな父のコメントを頻繁に聞かされて育ったので――
ふつうに、
――日本人にとってイギリス英語は聞き取りやすく、アメリカ英語は聞き取りにくい。
と思い込んできたわけですが――
先月、やたらと聞き取りやすい英語を話すアメリカ人男性に巡り会いまして――
本当に聞き取りやすいのですよ。
(あれならディクテーションだって簡単かも――)
っていう――(笑
実はアメリカ人ではなくイギリス人なのかと思っていると――
たしかにアメリカ人だとおっしゃっている――
それで、
――どうして、あなたの英語は、そんなにクリアーなのか?
とお訊ねしたところ――
――耳の遠い祖母がいるからだ。
と笑っておられました。
そのアメリカ人男性いわく――
一般に、イギリス英語がアメリカ英語よりも聞き取りやすいということはないと思う――
ただし、一般に、イギリス人のほうがアメリカ人よりも発音に気をつけているようだ――
自分はアメリカ人だが、耳の遠い祖母がいるために、イギリス人なみに発音に気をつけている――
だから、私の英語はクリアーなのだろう――
と――
耳が遠い人に話しかけるときは、いくら声を張り上げてもダメなのだそうです。
発音を正確にすることが一番だそうですよ。
実際、そのアメリカ人男性の親戚がお祖母さんを囲んで集まるときに――
皆、自分の話をお祖母さんに聞き取ってもらいたくて大声を出すそうですが――
ほとんど効果はないそうです。
(なるほどね~)
と思いました。
僕も耳の遠いご老人に話しかけるときには大声を張り上げていました。
が、たしかに聞き取ってもらえません。
ぜんぜんダメ――(笑
この次からは、声量ではなく、発音に注意します。