書くことは――
考えることや知っていることを正確にするといわれます。
文字に書き表してみて初めて――
人は、自分の思考の欠陥や知識の不備に気づくのです。
裏を返すと――
文字に書き表していないうちは、自分の思考は完璧だと思っている――自分の知識は万全だと思っている――
人の心は――
自分の誤謬や無知に気づきにくいのです。
おそらくは――
ヒトの脳が、そのような性質を備えているのでしょう。
ヒトの脳は、常に自身の機能の不完全さを無視していなければ――
たぶん、すぐに機能不全に陥るのです。