――人は、どん底に落ちれば、地に足が着き、かえって楽になる。
といいます。
――どん底に落ちるまでがツラいのだ。
と――
――地に足が着かず、宙づりで、手足をバタつかせているから、ツラいのだ。
と――
……
……
実際――
“どん底”を知っている人は――
実業家でも、政治家でも、スポーツ選手でも、芸能人でも、学者でも、芸術家でも、
――逆境や苦境に強い。
といわれていますね。
おそらく――
“どん底”に落ちて地に足が着けば、とりあえず“宙づり”のツラさから逃れられるということを――
一度、体感しているからです。
そういう人は――
人世の逆境や苦境のほとんどが、実は“どん底”ではなく、“宙づり”である――
ということを痛感しているのだと思います。