マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

醜く勝つより、美しく負ける?

 ――日本人は、醜く勝つより、美しく負けるほうを好む。

 と――
 何となく考えられています。

 このことは――
 日本語圏で、


 という言葉が周知されていることからも――
 明らかでしょう。

 では――

 日本人は、なぜ醜く勝つより美しく負けるほうを好むのか――

 ……

 ……

 もちろん――
 そこに日本人の脳の遺伝的素因を何か見出すことはできるかもしれません。

 が――

 僕は――
 とりあえず、

 ――日本人は、勝負事には、つねに傍観者として関わろうとするから――

 と考えています。

 つまり――
 日本人は、勝負事を――
 当事者の視点でみるのが好きではないのですね。

 あくまで――
 傍観者の視点でみるのが好き――

 ……

 ……

 傍観者として関わろうとするからこそ――
 勝負より美醜のほうが大切になってくるのです。

 もし――
 当事者として関わろうとするのなら――

 それは、もちろん――
 美醜よりも勝負のほうが大切でしょう。

 日本人であろうと、なかろうと――
 当事者の視点では――
 美醜よりも勝負のほうが絶対的に大切なはずです。

 ……

 ……

 そんなに複雑なことを述べているつもりはありません。

 傍観者というものは――
 概して、

 ――美

 を求めたがります。

 すなわち、

 ――美しく勝つ

 か、

 ――美しく負ける

 かのどちらかを求める――

 一方――
 当事者は、

 ――勝

 を求めるのです。

 すなわち、

 ――美しく勝つ

 か、

 ――醜く勝つ

 かのどちらかを求める――

 それだけのことです。