10 才のころのぼくは――
物理や歴史(れきし)の勉強が得意(とくい)で――
すぐに物理や歴史が好きになり、
(大人になったら、物理や歴史のことで、未知の物事を見つけ出す仕事がしてみたい)
と思うようになった――
と、きのう、のべました。
このようなことを――
ぼくが 10 才のころに、まわりの大人の人たちに話すと――
たいていの人たちは、ほめてくれました。
――おお~。将来(しょうらい)のことをちゃんと考えていて、えらいね。
と――
……
……
が――
実際には――
当時のぼくは、ほとんど何も考えていませんでした。
――大人になったら、物理や歴史のことで、未知の物事を見つけ出す仕事がしてみたい。
と思うところで終わっていて――
そのように思うことに、どんな意味があるのか――
ほとんど何も考えていませんでした。
……
……
――大人になったら、物理や歴史のことで、未知の物事を見つけ出す仕事がしてみたい。
ということは――
つまり、物理や歴史のことについて、
――未知の物事の見つけ方
という暗黙知(あんもくち)を手に入れたいということです。
6月12日に、のべた通り――
――未知の物事の見つけ方
に限(かぎ)らず――
何かの暗黙知を手に入れようと思ったら――
人は、
―― 10,000 時間の体験
をくりかえさないといけません。
――暗黙知
とは、
――体験をくりかえすことによって、自然に知ったり、わかったりすること
であるからです。
よって――
10 才のころのぼくは、
――大人になったら、物理や歴史のことで、未知の物事を見つけ出す仕事がしてみたい。
と思うところで終わりにせずに――
――未知の物事の見つけ方
という暗黙知を手に入れるためには――
それからの 7 ~ 10 年間で――
どのようにして、
―― 10,000 時間の体験
をくりかえせばよいのかを――
考えなければなりませんでした。
そんなことを――
当時のぼくは、まったく考えていませんでした。
『10 歳の頃の貴方へ――』