――算数・数学が脳(のう)によって作られる。
と、きのう、のべました。
これは――
脳によって作られる算数・数学の在(あ)り方は――
その脳の内部における、
――大量の“電気の信号”のやりとり
の起こり方のルールのようなものが――
例えば、
1)信号は、他の信号と合わさることで、増(ふ)えたり減(へ)ったりする。
2)信号は、他の信号から影響(えいきょう)を受けることで、強くなったり弱くなったりする。
3)いったん信号が伝わったところは、その後で、他の信号が伝わりやすくなる。
4)信号は、ダラダラと伝わりつづけることはなく、一度は必ず途(と)ぎれる。
である場合と、
5)信号は、増えたり減ったりせず、いつでも一定の量に保たれている。
6)信号は、強くなったり弱くなったりせず、いつでも一定の強さである。
7)いったん信号が伝わったところは、しばらく他の信号が伝わりにくい。
8)信号は、とうとうと伝わりつづけて、完全に途ぎれることはない。
である場合とで違(ちが)ってくる――
ということです。
よって、
――算数・数学が脳によって作られる。
というよりは、
――算数・数学は脳で決まる。
というほうが――
より正しい表現といえます。
……
……
算数・数学が脳で決まるのであれば――
算数・数学の在り方を調べることで――
その算数・数学を作った脳のことをあれこれと推(お)し量ることができるはずです。
例えば――
もし、ぼくら人類が、遠い将来(しょうらい)に――もしくは、近い将来に――宇宙人(うちゅうじん)と出会うことがあったなら――
その宇宙人が、どんな算数・数学を作って使っているかを調べることで――
その宇宙人の脳のことをあれこれと推し量ることができるでしょう。
『10 歳の頃の貴方へ――』