自宅はJR仙台駅から歩いて15分ほどのところです。
電車を利用した後は、いつも徒歩で帰途につきます。
その途中に――
ガソリン・スタンドがあるのです。
妙に、はやっていないガソリン・スタンドです。
店員さんが2名ほど、車道に向かって所在なく立っています。
しかも、その店員さん、どちらもロマンス・グレーの中高年なのです。
なんとなく背中がショゲてみえます。
やることもなく、突っ立っているからでしょうか。
これが、もし20代の若い店員さんとかだったら、そんなに問題はないのですよね。
(よかったね、ラクできて――)
などとも思えます。
が、ロマンス・グレーの店員さんだと、どういうわけか苦しそうです。
禁固刑に喘ぐ囚人のような苦しさを感じてしまいます。
なぜでしょう。
不思議です。
暇にしていても、忙しくしていても、多分、受け取る報酬は同じはずなのですが――
そんな店員さんたちをみていると――
こちらまで元気をなくしてしまいます。
だから――
そのガソリン・スタンドの前を、僕は、いつもソソクサと歩き過ぎるのです。