マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

虚栄心

 いつも家でコムズカしい哲学書ばかり読んでいる人が、外では、これみよがしにマンガばかりみる――

 この心理は、いったい、どうしたことでしょうか。

 一つ、いえそうなことは――
 いつも家でオチャラケのマンガばかりみている人が、外では、これみよがしに哲学書ばかり読む――という心理と、大した違いはないのではないか、ということです。

 つまりは――
 外で、これみよがしに哲学書を読むか、これみよがしにマンガをみるか、ということです。

 以前は、

 ――外で、これみよがしにマンガ

 のほうが、数段ましな気がしていましたが、どうも違いますね。

 どちらも、人の目を気にしているという意味では、卑屈です。
 多分、外で、これみよがしにマンガをみる人も、見栄をはっている。
 家で哲学書を読むときに見栄をはっているのです。
 誰もみていないはずなのに――

 もちろん、同居人がいる場合は、もう少し複雑ですね。

 白状すれば――
 僕は、どちらかといえば、

 ――外で、これみよがしにマンガ

 のタイプだと思っていました。

 が、謙虚に自己点検してみると――
 意外に、

 ――外で、これみよがしに哲学書

 とか、

 ――外で、これみよがしに科学書

 ――外で、これみよがしに思想書

 とかも、やっている。

 やれやれ――
 虚栄心とは、実に厄介なものです。