甥に会ってきました。
数日前のことです。
妹夫婦の息子です。
去年の11月で3歳になったばかりです。
二言三言は喋ります。
抱きかかえたら、すっかり重くなっていました。
体重は15キロだそうです。
部屋の中でスポンジ・ボールを投げっこして遊びました。
僕は、幼児を可愛いと思ったことがありません。
よそで甥と同年輩の子供をみても、別に何とも思いませんでした。
むしろ、泣き出したりしたときなどに、
(うるさいなあ)
と腹を立てる始末です。
が、甥は違う。
甥だけは可愛い。
血が繋がっているからでしょうか。
甥と接していると、笑顔は謝意の印だというのが、よくわかります。
物をとってあげたり、ダッコしてあげたりすると、
――うひ。
と笑います。
ごく自然に笑います。
必ず笑います。
甥とは一泊二日をともにしただけでした。
再会した次の日には、お別れです。
新幹線のホームまで、見送りにきてくれました。
妹の計らいです。
「ばいばい」
と手を振ると、
――ばいばい
と応じてくれました。
穏やかな笑みでした。
それで――
思いました。
(僕は、すでに「たまに遊びにくる伯父さん」と化しているんだな)
と――
昨日、妹からメールがありました。
実は、あの後、大変だったそうです。
――僕も新幹線に乗る~!
と大騒ぎしたとか――
最後は、ホームにひっくり返って、泣き出したらしい。
――やっぱり、伯父ちゃんと別れるのが悲しかったんじゃない?
などと返信しました。
妹の携帯電話にです。
返信して数時間が経ちますが――
妹からの返事はありません。
――そんなわけないやろ。
ってことでしょうか。