マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

外出中に、急に漢字を

 外出中に、急に漢字を調べたくなったら――
 皆さんは、どうされます?

 例えば――
 友人たちと話をしていて、誰かが突然、
「そういえば『とっさに』の『とっさ』って、どういう漢字だっけ?」
 と、いったとします。

「そんなの、急にはわかんないよ。なんで?」
「この前、イギリス人の知り合いにきかれてさあ。日本人なら、たいていの漢字は書けると思ってるんだよね」
「ありえねー」

 ここまで話が弾んでしまうと、あとには退けません。
「うわー、気になる。すげぇ気になる」
「たしか、こんなのじゃなかったけ」

 ――突差

「いや、こうじゃない?」

 ――突嗟

「いやいや、こうじゃない?」

 ――届嗟

「うおー! どれだっけ?」

     *

 こういうとき――
 皆さんなら、どうされますか?

 僕は携帯電話を取り出します。
 そして、メール作成モードに切り換え、「とっさ」と打って変換すると、

 ――咄嗟

 と出ます。

 これを覚えてからというもの、大変に便利です。
 どこに行っても恥をかくことはない。

 高校時代、駅で学割を申請するときに「札幌」と書けず、駅員さんにバカにされたことがありました。
 そういう思いをしないですむ――

 が、一つ欠点が――

 ――あの漢字がわからない。

 といって、皆で話が盛り上がっているときに、一人、無言で携帯電話を取り出すと――
 白い目でみられることがあります。

 ――なんだ、こいつ。自分勝手な……!

 というわけですね。

 ――電話に出るなら一言いえよ。

 とか、

 ――メールの返信は、あとにしろよ。

 ということです。

 気を付けましょう。