未成年の飲酒は法律で禁止されているそうです。
だから、
――酒はダメだぞ!
となります。
つまり、
――甲子園は辞退せよ。
と――
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駒大苫小牧高校の件です。
報道によれば、野球部の3年生部員が居酒屋で騒いでいたそうです。
学校側は、不祥事の責任をとり、今春の甲子園大会への出場を辞退させるといっています。
この時期の3年生です。「部員」ではなく「元部員」のはずです。
元部員の不祥事に部員が責任をとるというのは不可解ですね。
そこまで強いるなら、それを強いる教師たち全員が辞職するくらいでないと、釣り合いはとれません。
飲酒した生徒たちの数倍の責任が、教師たちにはあると思うのです。
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教師にとっては、飲酒を禁じることが大切なのではありません。
――なぜ禁止されているのか?
を、しっかりと教えることが大切なのです。
理由の一つとして、精神の未熟が挙げられます。
――未成年は心が稚いために、飲酒し、酩酊することで取り返しのつかない失敗をするかもしれないから
ということです。
が、それが最も重要な理由ではないでしょう。
その種の失敗なら、飲酒に大人が同伴すれば防げます。
最も重要な理由は、
――身体の健康な発達が障害される可能性があるから
です。
身体の未熟による障害は、大人が同伴しても防げません。
もちろん、身体の発達には個人差があります。
未成年で飲酒しても平気な人はいます。とくに18、9歳では大半の人が平気です。
が、中には平気でない人もいる――少なくとも、いるかもしれない――
そういう人に足並みをそろえ、一律にストップさせようというのが、
――お酒は20歳から
の発想だろうと思います。いわば「公平を期す」の発想です。
教師は、そうした発想の背景も含めて指導しなければいけません。
ただ合い言葉のように、
――酒はダメだぞ!
などといっているのは手抜きなのです。
もしくは能力不足――
駒大苫小牧高校についていえば――
教え子たちに「甲子園辞退」という計り知れない損失を強制する以上、その強制を決断した教師たちは全員、辞職が適当でしょう。
教育現場には、しばらく復帰しないほうがいいかもしれません。
報道によれば、野球部の監督さんは辞職を決意されたそうです。
教師の本分の何たるかは御存じなのだろうと思います。