マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

全員、辞職が

 未成年の飲酒は法律で禁止されているそうです。
 だから、

 ――酒はダメだぞ!

 となります。
 つまり、

 ――甲子園は辞退せよ。

 と――

     *

 駒大苫小牧高校の件です。
 報道によれば、野球部の3年生部員が居酒屋で騒いでいたそうです。

 学校側は、不祥事の責任をとり、今春の甲子園大会への出場を辞退させるといっています。

 この時期の3年生です。「部員」ではなく「元部員」のはずです。
 元部員の不祥事に部員が責任をとるというのは不可解ですね。

 そこまで強いるなら、それを強いる教師たち全員が辞職するくらいでないと、釣り合いはとれません。
 飲酒した生徒たちの数倍の責任が、教師たちにはあると思うのです。

     *

 教師にとっては、飲酒を禁じることが大切なのではありません。

 ――なぜ禁止されているのか?

 を、しっかりと教えることが大切なのです。

 理由の一つとして、精神の未熟が挙げられます。

 ――未成年は心が稚いために、飲酒し、酩酊することで取り返しのつかない失敗をするかもしれないから

 ということです。

 が、それが最も重要な理由ではないでしょう。
 その種の失敗なら、飲酒に大人が同伴すれば防げます。

 最も重要な理由は、

 ――身体の健康な発達が障害される可能性があるから

 です。
 身体の未熟による障害は、大人が同伴しても防げません。

 もちろん、身体の発達には個人差があります。
 未成年で飲酒しても平気な人はいます。とくに18、9歳では大半の人が平気です。

 が、中には平気でない人もいる――少なくとも、いるかもしれない――
 そういう人に足並みをそろえ、一律にストップさせようというのが、

 ――お酒は20歳から

 の発想だろうと思います。いわば「公平を期す」の発想です。

 教師は、そうした発想の背景も含めて指導しなければいけません。
 ただ合い言葉のように、

 ――酒はダメだぞ!

 などといっているのは手抜きなのです。
 もしくは能力不足――

 駒大苫小牧高校についていえば――

 教え子たちに「甲子園辞退」という計り知れない損失を強制する以上、その強制を決断した教師たちは全員、辞職が適当でしょう。
 教育現場には、しばらく復帰しないほうがいいかもしれません。

 報道によれば、野球部の監督さんは辞職を決意されたそうです。
 教師の本分の何たるかは御存じなのだろうと思います。