選手が自分のために闘っているか、チームのために闘っているかで、ファンにとっての身近さが違ってきます。
そこが一番の理由なのでしょうね。
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いよいよ世界最大のスポーツ祭典が開幕します。
サッカーのワールドカップ(W杯)です。4年に一度の祭典です。
4年に一度といいますと、オリンピック(五輪)も挙げられますが――
世界の注目度は格段の違いだといわれます。
日本にいると、多競技の集合である五輪のほうが、何となくメジャーだと思いがちですが――
実際は、そんなことはないのです。
世界には、五輪のことには全く関心がないのに、サッカーのW杯には夢中になる人々が大勢いるそうですよ。
その気持ち、僕もよくわかります。
サッカーのW杯に比べれば、五輪なんて、どうでもいい――
僕はスポーツ観戦が好きです。
が、五輪には、どうも入り込めない――
理由は何か?
たぶん、個人競技が多いからです。
もちろん、五輪には団体競技もありますよ。が、どうもオマケのように思えるのですよね。
陸上や水泳、スキー、スケートなどが花形として扱われているのをみると、その思いを強くします。
個人競技には壁を感じてしまうのです。
選手に、敬意は抱いても、親しみを抱くことはありません。
――頑張って下さい。
とか、
――悔いのないように――
としか、いいようがない――
が、団体競技は違います。
思わず、
――頼む! 頑張ってくれ!
と力んでしまうような――そんな親しみを感じる――
もちろん、団体競技の選手たちだって、自分のために頑張っているのですが――
でも、やはり、それだけではない――少なくとも建前としては、
――自分よりチームのために――
の思いがある――それが親しみを感じさせる要因でしょう。
選手もファンも同じスピリッツを共有できるのです。
もちろん――
まやかしのスピリッツかもしれないのですがね。
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サッカーのW杯は、いわば「まやかしのスピリッツ」の祭典といえるかもしれません。
このスピリッツが負の側面を剥き出しにすることのないように、世界中が和気あいあいと楽しめればいいと感じます。