ある人が輝いてみえるときは――
その輝きが、眩しければ眩しいほどに――
要注意だと思っている。
ある人が輝いてみえるということは――
その周りがクスんでみえるということだ。
夜空の月が輝くのは、空が暗いからである。
もし明るければ、みつけることすら難しい。
少なくとも、輝きはせぬ。
要注意だといったのは――
ある人が輝いてみえるときは――
その周りを必要以上に貶めている可能性があるからだ。
夜の帷(とばり)は、自分の主観で下ろしてはならぬ。
自分は真夜中のつもりでも――
実際には、真昼であったりするものだ。
TVの情報番組や雑誌の特集記事などで、しばしば、
――この大変な時代に、この人はスゴい。頑張っている。
といった話を見聞きする。
たしかに勇気づけられ、気持ちが明るくなることが多い。
が、要注意である。
頑張っているのは、その人だけではない。
今の時代が大変だとも限らぬ。
自分の目が歪まぬように――
厳しく律する必要がある。