近年、うつ病が増えているのだという。
とくに30代、40代の働き盛りに増えているそうだ。
実は、
(ホントかな?)
と思っている。
(「うつ状態が増えている」の間違えでしょ)
と――
うつ病とうつ状態とは区別したほうがよい。
「うつ状態」とは、単に「落ち込んでいる状態」である。
人は簡単なことで落ち込む。
だから、うつ状態は珍しくない。
つまり、
うつ状態 ≠ 病気
である。
が――
うつ状態の中には、落ち込んでいる原因が全くわからないものがある。
それが「うつ病」だ。
つまり、「うつ状態」の特殊なケースが「うつ病」ということになる。
背景には、脳の細胞レベルの異常が想定されている。
もちろん、自然なうつ状態がこじれて、うつ病になるというストーリーも、描けないことはない。
が、そういうケースも、思い切って落ち込んでいる原因を取り除けば、事なきをうるのではないか――とくに30代、40代であれば――
問題なのは、そういう原因を、なかなか思い切っては取り除けぬ現状にある。
昨今の社会には、そういう雰囲気が充満している。
思い切って取り除くとは、どういうことか。
例えば、周囲の迷惑を考えずに仕事を休んでしまうということである。
あるいは、配偶者などに完全に寄りかかってしまうということである。
たしかに、難しいな……。
が、やむをえない。
うつ状態に対処するには、ミスを恐れぬ人生設計が肝要と思う。
仕事を休んで周囲に疎まれたら、仕方がない――
配偶者に寄りかかって離婚されたら、仕方がない――
そういう潔さが――
うつ状態では物をいう。
*
以上は、純粋なうつ状態にいえることである。
残念ながら、世の中には様々なうつ状態がある。
一概にはいえぬところが、ツラい。