女性の顔立ちは、時と場合とによって、全くイメージが変わってしまう。
とくに若い女性ほど、そういう傾向にあると思う。
もちろん、以上は男の視点でみた場合のことだ。
女性の視点では、また違った見解になるのかもしれない。
それは、ともかく――
男からみた女性の顔立ちが、その時々によってガラッと変わってしまうということは――
何を意味しているのだろうか。
例えば――
男は、常に顔だけをみているのではない、ということではないか。
少なくとも僕は――
たとえ、どんなに顔だけをみているつもりでも――
顔だけをみていることはないようだ。
これは、つい最近、気づいたことだが――
僕は、女性の顔をみているときに、とりわけ、その顔の下の色彩を強く意識している。
顔の下の色彩というのは、簡単にいえば、衣装の色彩だ。
僕は、女性の衣装はピンク系統かブルー系統に目がないのだが――
こうした色彩をまとっている女性は、たとえ、好みの顔立ちではなくても、好みにみえてしまう。
例えば、ほとんど印象に残っていなかった女優さんでも――
TVのCMや映画のワンシーンなどで、あるとき突然、ピンクやブルーの衣装で現れたりすると、
(へえ~!)
と唸ってしまう。
(この娘(こ)って、こんなに良かったっけ?)
と――
若い女性が僕を籠絡するのは簡単だ。
ピンクやブルーの衣装をまとえばいい。
もちろん――
籠絡して何かいいことがあるとも思えぬが――