マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「昭和顔」への抵抗感の源

 ――しょうゆ顔

 という言葉があります。

 ――ソース顔

 に対する「しょうゆ顔」です。

 1980年代後半――
 小顔で、切れ長の目をもち、鼻筋が通っている日本人風の顔立ちを「しょうゆ顔」といい――
 西欧人のように彫が深く、目鼻立ちのハッキリしていている顔立ちを「ソース顔」といいました。

 主に男性について、いっていたようです。

 男性だから――
 まあ、「しょうゆ」でも「ソース」でも、あまり気にされなかったのだと思いますが――

 ちょっと使うのがためらわれる言葉ではあります――
 しょうゆやソースの臭いが顔から漂ってきそうで、何となく汚らしい――(笑

 ……

 ……

 だからでしょうか。

 昨今では、

 ――昭和顔

 が使われます。

 女性について使われることが多いようです。
 意味は、「しょうゆ顔」と、ほぼ同じです。

 それでよいと思います。

 もちろん、「昭和」からも、「しょうゆ」や「ソース」に負けないくらいの“臭い”は漂ってきますが――
 その“臭い”は、おそらくは、世代によっても個人によっても、けっこうバラついています。

 そればかりか、同一の個人であっても――
 時と場合とによって、感じられる“臭い”は違ってくるはずです。

 女優さんやモデルさんを「昭和顔」と評する時に――
 そう評する人は、その顔から様々な“臭い”を――いえ、多くの場合は“匂い”を――感じとっているに違いありません。

 女優さんやモデルさんの中には、「昭和顔」と呼ばれることに抵抗を感じる方もいらっしゃるようですが――
 たぶん、そういう女性は、「昭和」の香の多様性をまだ実感されていないのでしょうね。

 多くは平成生まれの女性のようですから――
 致し方ありませんが――

 昭和生まれの男としては――
 そんな女性が、いつか昭和の香の多様性を実感されるようになったら――
 少しは違った感慨を抱かれるのではないか、と――
 期待も込めて――
 想像をしております。

 ところで――

 ……

 ……

 いま、こうして書いていて気づきましたが――

 ――昭和顔

 と、

 ――しょうゆ顔

 とは――
 一文字違いなのですね――「わ」と「ゆ」との違い――

 面白い……(笑