マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

『花木蘭伝説』あれこれ(3)

 ――花木蘭は美人ではなかった。

 ということを――
 きのうやおとといの『道草日記』で述べました。

 誤解のないように述べますと、

  美人ではなかった = 魅力的でなかった

 ではありません。

 むしろ――
 美人でなかったからこそ――
 その魅力は、いや増した可能性があります。

 例えば――
 男を変に惑わすことがなく――
 女に変に妬まれることもない――

 簡単にいってしまえば――
 人柄が魅力的であったということです。

 が――

 人柄だけでなく、その容貌も、
(十分に魅力的であったに違いない)
 と――
 僕は解釈します。

 美貌ではなくても、魅力的な容貌を備えた人というのは――
 男女を問わず――
 そんなに珍しくはないのですね。

 そういう人は――
 言葉の使い方や表情の見せ方が巧みです。

 もちろん――
 それは、一義的には、人の心を掴むのが巧い――つまり、人柄が魅力的である――ということですが――

 そういう人は――
 最初のうちは、

 ――なんだかパッとしない顔立ちだなぁ。

 と思われていても――
 しだいに、

 ――なんて魅力的な顔立ちなんだ!

 と思われるようになることがあるのですね。

 花木蘭は、そんな女性であったに違いない――
 と考えると――

 『花木蘭伝説』の物語にも――
 何となく厚みが感じられます。