歴史を振り返ると――
人の世は――
乱世と治世とを繰り返してきました。
乱世とは、戦禍に満ちた不穏な時代――
治世とは、戦禍のない安寧な時代です。
人の世は、なぜ――
それら時代を交互に繰り返すのか――
なぜ――
人々は、治世を永らく保つことができないのか――
その問いの答えは――
簡単ではないでしょう。
が――
……
……
ふと思うのです。
社会全体で――
目を覆いたくなるような惨状や――
その惨状が避けられなかった現実を――
経験することが――
人々の考えを――
現実的で柔軟性のあるものに変えていくのではないか、と――
そして――
その人々の現実的で柔軟性のある考え方こそが――
乱世を収め、治世をもたらすのではないのか、と――
……
……
裏を返すと――
幸せに満ち足りた平静や――
その平静を保ち続けられている現実を――
経験することは――
人々の考えを――
硬直的で虚構性のあるものに変えていくのではないか、と――
そして――
その人々の硬直的で虚構性のある考え方こそが――
治世を破り、乱世をもたらすのではないのか、と――
……
……
どうも、このあたりに――
人の世が、乱世と治世とを繰り返す原理を――
見出せるのではないでしょうか。