毎年、この時期に大学受験生を指導していて思うことは――
(試験ってのは、所詮、ただのゲームだよな~)
ということです。
高校時代、
――明日は模擬試験を受けなきゃいけない。
という日になって、
――オレ、試験大好き!
といっている同級生がおりましたが――
そんな彼は、たぶん試験のゲーム的な要素を楽しんでいたのだと思います。
でも、本来、試験というのは、学力を測るためのものであって――
ゲームへの適応能力を測るためのものではありません。
ですから、試験のゲーム的な要素は、できるだけ排除されるべきだと思うのです。
が、現実の大学入試問題などをみておりますと、ゲーム的な要素がふんだんに盛り込まれています。
ゲーム的な要素のうちの最大のものは、解答時間の制限です。
例えば、数学や理科などでは、
(どうみても解答時間が足りんだろう!)
と思われる入試問題を、よくみかけます。
そうした問題にあたる際には、短時間で解ける問題と解けない問題とを瞬時に見分ける要領の良さが求められるのですね。
つまり、短時間では解けない問題を何時間でも粘って考えられる集中力は、大学入試では、全然、評価をされていない、ということになります。
しかし、大学に入った後では、そういう集中力がものをいいます。
大きな矛盾だと思うのです。