マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

試験に強い人

 岐阜県の公立高校の入試会場で――
 ちょっと面白いことがあったそうですよ。

 国語の漢字の書き取りで「けっせき」が出題されたそうなのですが――
 一部の入試会場では、前方の黒板に「欠席なし」と板書されていたそうです。

 ――あ、答えが書いてある!

 というわけですね。

 不公平があってはいけないということで、結局、受験者全員に得点を与えたようですが――

 こういうことは、大学入試でも時々みられます。
 現代文の漢字の書き取りで、出題文中に同じ漢字が含まれていたりとか――

 やはり、受験者全員に得点を与えることが多いようです。

 余計な措置なのですがね。
 全員に得点を与える必要は、たぶん、ありません。

 といいますのは――
 こうしたことに気づける人というのは、その漢字を、最初から書けたりすることが、ほとんどなのですよ。
 余裕シャクシャクで書けたからこそ、気づけるようなところがあるのですね。

 逆に、その漢字が書けないような人は、目の前に正解があっても、なかなか気づけない――
 そういうものなのです。

 試験に強い人というのは、結局は確かな学力に裏付けられています。
 出題者の凡ミスに気づくのにも、相応の学力が必要なのです。

 ちょっと話はズレますが――

 日本の大学の医学部での話です。
 ある診療科の試験が、全て英文で出題されたことがありました。

 ――医学の国際化の波に乗り遅れるな。

 という大学側のメッセージだったのでしょう。

 決して意地悪ではなかったのですよ。
 その証拠に、英和辞典の持ち込みが許されていました。

 ところが――
 その試験に、収録語数10万未満の普通の辞書を持ち込んだか、20万以上の『リーダーズ』のような辞書を持ち込んだかで、明暗が分かれました。

 20万語もあれば、結構、医学用語も載っているのですね。

 日頃から『リーダーズ』を使いこなしている人は、そのことをよく知っています。
 つまり、それだけの学力を備えた医学生は、その試験に迷うことなく『リーダーズ』を持ち込んだわけですね。

 やはり、試験に強い人というのは、確かな学力に裏付けられているものなのです。