イギリスで、小学生に宿題を出すことが議論になっているそうです。
今月11日付のタイムズが報じたところによると――
教員組合が政府に宿題を禁じるように求めているのだとか――
(それって、政府が決めることなの?)
と、一瞬、苦笑がもれましたが――
もしかして、イギリスでは教員組合と政府とが上下でつながっているのですかね。
その辺は、よく知りません。
とにかく、教員組合が宿題を禁止すべき理由として挙げているポイントは、
――恵まれない家庭の子供にとっては、宿題がストレスとなり、それが学校嫌いを引き起こす。
というものだそうです。
「恵まれない家庭」というのは、「十分な参考書やコンピュータがなく、両親がシッカリとした教育を受けられなかった家庭」というほどの意味だそうですよ。
いわんとすることはわかります。
参考書もコンピュータもなければ調べものには苦労するでしょう。
その上、両親が頼りにならないとなれば、なおさらです。
子供の気質も無視できません。
家庭環境にかかわらず、宿題が負担になる子供は、確実に存在しますからね。
が、宿題を享受できる子供もいるわけで――
事実、政府は、そのような立場で反論しているようですが――
曰く、
――十分に工夫された宿題は子供に有益である。
と――
暗に、
――教員よ、自分らの裁量権を投げ出すな。
といっているようです。
思うに――
この問題は、教育の均一性の弊害に直結します。
宿題が良いか悪いかの観点は無益です。
宿題は、ある子供にとっては悪いもので、別の子供にとっては良いものなのですから――
宿題を一律に出すことが悪なのであって、宿題を出すこと自体が悪なのではないでしょう。
この論争、どうやら政府に分があるようです。
教員がきめ細かな対応をすれば済む話ではないでしょうか。
教育の問題というよりは、むしろ教員の問題なのかもしれません。
教育の動機を保つのに苦しんでいるとか――
そういえば――
英語圏では、教員の社会的地位は、日本よりも相当に低いようで――
英語圏から研修にきた教員が、
――日本は仕事がしやすい。
と、心底、羨ましがっていました。