マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

やっぱり声を

 電車を降りるときに、
(あ、いいな)
 と思える女性をみかけたのですよ。

 黄色いカーデガンと白いショートパンツとが印象的でした。
 髪を茶色に染めていたのも、どこか上品で――

 改札をくぐると、僕は左へ――彼女は右へ――
 それで永遠のお別れとなるはずでしたが――

 それから20分くらいして――
 行きつけのカフェでの一休みを終えて、通りに出てみると――

 その女性が、こちら側へ歩いてくるところでした。

(わ~、びっくり)
 という感じです。

 最初に断っておくと――
 そんなにスゴい偶然というわけではありません。

 改札口から歩いて5分もかからないところに、そのカフェはありますから――

(まあ、こういうこともありうるでしょ)
 といったところです。

 でも――
 なんだか、そのまま見過ごすには惜しい偶然でしたよね。

 だから――

 いや――
 結局は、そのまま見過ごしたのですがね。

     *

 やっぱり声をかけるべきだったか(いやいや