冬の寒空が春めいてくると――
人は、どうも落ち着きをなくすようですね。
平安期の人々は、春になって桜が咲き始めると、実にソワソワと落ち着きをなくしたそうですが――
それは、
――早く桜を観賞したい。
という思いからだけではなかったように思います。
春の陽気それ自体が、人々の心を不安定にしていたのではないか、と――
そういえば――
「秋の紅葉でソワソワ」という話は、とんと聞きませんよね(笑
なぜ春は落ち着きがなくなるのか。
その辺の説明については、医学・生物学的に理屈をこねることもできそうなのですが――
そんな主張の実証には、最終的には人体実験を要するとなれば――
こねても面白くはない理屈――こねるだけ損な屁理屈――ということになるでしょう。
きっと――
神様のイタズラです。
あるいは――
お天道様のそそのかし――
人々の心を揺さぶって、面白がっておられるのです。